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ジャズ100本ノック !!

Amazonへ イン・パースート・オブ・ザ・27thマン/ホレス・シルヴァー
IN PURSUIT OF THE 27TH MAN/HORACE SILVER
(BlueNote TOCJ-9371)
1.Liberated Brother(5:23) 2.Kathy(4:17) 3.Gregory Is Here(6:21) 4.Summer In Central Park(4:41) 5.Nothin' Can Stop Me Now(5:15) 6.In Pursuit Of The 27th Man(9:44) 7.Strange Vibes(5:02)

1972年に録音された、ファンキーなジャズピアノのホレス・シルヴァーによるリーダー作。ブルーノートにおける27作目のリーダー作であることがタイトルの由来。彼がブルーノートレーベルでたどってきた双頭クインテットの形を、そっくりそのまま引き継いだ形式になっている。まだ若いブレッカー・ブラザーズが登場している点も注目したい。
メンバーは、ホレス・シルヴァー(p)、マイケル・ブレッカー(ts)、ランディ・ブレッカー(tp,flh)、デヴィッド・フリードマン(vib)、ボブ・クランショウ(b)、ミッキー・ローカー(ds)。
最初の曲は「リベレーテッド・ブラザー」。ラテン調の明るい雰囲気のピアノの伴奏に乗せて、ブレッカー・ブラザーズの軽やかなブラスが響く。実に爽快だ。50年代に見られるホレス・シルヴァーのファンキーなクインテットを、そっくりそのまま70年代に持ち込んだかのようである。しかも、録音状態が良く、クリアな音をしている。
つづく「キャシー」では、デヴィッド・フリードマンのヴァイブが登場する。こういう音を出すキーボードでも弾いてるのでは?という、打楽器とは思えない感触がある。
3曲目から、ホレス・シルヴァー自身の手によるオリジナル曲が5曲つづく。
「グレゴリー・イズ・ヒア」は、ホレスらしいアップテンポな曲。ランディ・ブレッカーのトランペットソロが新鮮でみずみずしい。デヴィッド・フリードマンは登場せず。
「サマー・イン・セントラル・パーク」は、タイトルに「サマー」と付けられているものの、三拍子のロマンチックでしっとりとした曲だ。しかも、どこかヨーロッパのジャズの香りがして、「セントラル・パーク」という点でも矛盾を感じる。ボブ・クランショウのベースと、デヴィッド・フリードマンのヴァイブとで、デュエットのような展開を見せる。美しい曲なので問題なし。
「ナッシン・キャン・ストップ・ミー・ナウ」も前曲に続く三拍子で、意外だ。ヴァイブ抜きのクインテットで、ホレス節が炸裂する。とても彼らしい作品だ。
「イン・パースート・オブ・ザ・27thマン」は「サマー…」と同じく、ベースとヴァイブのデュエットで進行していく。ボブ・クランショウはこのアルバム最大の見せ場。複雑なリズムを安定供給している。がんがん叩くホレスの力強いピアノも良いし、ヴァイブも回転が速い。しかしタイトル曲でありながら、ブレッカー・ブラザーズは登場しない。10分ほどある長めの曲で、序盤のファンキーなテイストから、終盤では70年代を感じるニュージャズの風味が出てくる。
ラスト曲「ストレンジ・ヴァイブス」は、このアルバムの総括とみた。
複雑なリズムが織りなす「波」を、ホレス・シルヴァーの見事な操縦で転覆せずに乗り切った力作である。
1年以上ぶりに聴いて、改めて感銘を受けたことがこのレビューを書くきっかけになったことを最後に付け加えておく。




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