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ジャズ100本ノック !!

Amazonへ ヒーローズ/ドナルド・ハリソン
HEROES/DONALD HARRISON
(輸入盤 nagel heyer 2041)
1.Heroes(6:14) 2.Blues For The New Millennium(4:12) 3.My Funny Valentine(8:12) 4.One Of A Kind(5:53) 5.Double Trouble(8:01) 6.Receipt Please(5:59) 7.Candlelight(6:33) 8.Solar(3:57) 9.Free Style(4:43) 10.Iko Iko(3:11) 11.Straight No Chaser(8:06)

アルトサックス奏者のドナルド・ハリソンによるワンホーントリオ作品。2002年の録音。
ジャズ喫茶に入る前、外から漏れ聞こえた音にハッとした。「このベースとドラムはすごい」そう直感して、店内に入るなりマスターに「これ誰のですか?」とたずねた。ジャケットの写真と「DONALD HARRISON」という名前に思い当たる節はなかった。あらためてメンバーを紹介すると、ドナルド・ハリソン(as)、ロン・カーター(b)、ビリー・コブハム(ds)。ドナルド・ハリソンの代わりにピアノのケニー・バロンにすると「アート・オブ・スリー」というユニットになる。「アート・オブ・スリー」のユニットでは日本ツアーも行われ、私も鑑賞した。ベースとドラムの音にスルスルと引き寄せられたのは当然かもしれない。
ロン・カーターのウッドベースには重みがある。他の人が使うベースではなく、特別な仕掛けでもあるかのようだ。もちろんそんな仕掛けはないはずなのだが。ビリー・コブハムの奏でるカツンとしたシンバル、反発力のあるスネアドラムの音色も、トリオでの重厚なサウンドにさらに重みを加えている。
ドナルド・ハリソンのアルトサックスは少しふっくらとした音で、長いフレーズから細かいフレーズまで、上へ下へと動き回る。このサックスの音を「スウィング」と呼ぶには軽すぎてあてはまらない。大蛇がうねうねと動いていると表現すればよいか。ときにテナーサックスのような重さも感じさせる。この作品は「重み・重厚さ」というキーワードで作られたかのような一枚になっている。
2曲目の「BLUES FOR THE NEW MILLENIUM」ではジョン・コルトレーンを思い起こさせる自由なジャズだが、好き勝手に演奏しているようで実は周りと調和している。その背景には奔放なベースとドラムがあるのだが、あまりにもレベルが高い。
つづく3曲目「MY FUNNY VALENTINE」はマイルス・デイビスの演奏でおなじみのスタンダードナンバー。出だしでは聴いてすぐにわかるほど、メロディをきちんと吹いている。しかしそんなことは出だしだけの話で、そのあとは、「これなんていう曲ですか?」と言いたいほど原形をとどめていない。それでも十分クールでかっこいいのだが。この曲でのロン・カーターの長尺ベースソロはおみごと。ロン・カーターのリーダー作とも言える存在感を放っている。
「ONE OF A KIND」はこれまでの曲とは違い、アルトサックスだということがよくわかるほど高い音を中心に演奏している。聴き始めでは軽いかと思ったが、いやいや重たい。心にズシンズシンと響く。特にベースは胸にくる。ドラムのがっちりした堅さにも聞き惚れる。
この重たい音をジャズ喫茶のパラゴンスピーカーで聴いたときの気分は格別だった。




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