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ジャズ100本ノック !!

Amazonへ グランド・エンカウンター/ダイアン・リーヴス
The Grand Encounter/Dianne Reeves
(BlueNote TOCJ-6064)
1.Let Me Love You(3:46) 2.Cherokee(3:23) 3.Besame Mucho(8:12) 4.Old Country(5:04) 5.Tenderly(4:53) 6.After Hours(6:05) 7.Ha!(3:26) 8.I'm Okay(4:58) 9.Side By Side(5:07) 10.Some Other Spring(5:25)

パワーと迫力のある低音が魅力の女性ヴォーカリスト、ダイアン・リーヴスによるスタンダード・ナンバーを収めた1枚。曲によって脇役となる楽器が違うのも、ひとつの聴きどころである。
「レット・ミー・ラブ・ユー」はバックの音質が引き締まっていてスマートだ。そんな中、ハリー・スウィーツ・エディソンのトランペットソロが光り輝いている。また、ベースとドラムの音も聴きやすくかっこいい。ダイアン・リーヴスは中域の音程ではのびやかに歌い、高音では声を張り出して勢いよく歌っている。終盤の独特なスキャットもいい。
「チェロキー」はクリフォード・ブラウンによる演奏が有名なスタンダード・ナンバー。クリフォード・ブラウンの「チェロキー」はいい意味で泥臭さがあったが、ダイアン・リーヴスはテンポ良く都会的にまとめている。中盤でのボビー・ワトソンによるアルトサックスソロは、その都会的な味わいをよりいっそう演出している。ノリのいいピアノもグッド。
「ベサメ・ムーチョ」はおなじみの曲だが、ここではテンポをゆっくりにし、ダイアン・リーヴスは音符の長さいっぱいに声を引き延ばして歌っている。しかしその歌声はふらつくことがなく、まして長い音のほうが得意だと言わんばかりに、抜群の安定感を持っている。聴く側は安心してゆったりと彼女の歌の世界に身を任せることができる。
「オールド・カントリー」では、ダイアン・リーヴスの迫力ある声に、ドラム、ピアノ、サックスが良いマッチングを見せている。このディスクは録音がよく、この曲ではドラムのハイハットの音が全編にわたって心地よく鳴っている。ダイアン・リーヴスはパワーのあるヴォイスにふくよかさと鋭さを兼ね備えている。それでいて、秘めているパワーにはまだまだ余裕を感じさせる。
「テンダリー」は男性ヴォーカリストのジョー・ウィリアムスと競演。ダイアン・リーヴスの声をそのまま2オクターブ下げたようなドスの利いた声だ。ダイアン・リーヴスは、ジョー・ウィリアムスに呼応して低い声で勝負したかと思えば、高音へと一気に飛翔してみせたりもする。
「アフター・アワーズ」ではささやくようなヴォイスとパワーあふれるヴォイスを使い分けて、音の世界に幅を持たせている。ヴォーカリストとしての底力と技量を感じさせる。
「HA!」はテンポの良い曲で、なんとビッグバンドによる伴奏。さらに男性を含む5人のヴォーカリストによるスキャットの合唱、そして5人のブラス奏者によるソロ演奏と、ヴォーカリスト名義の作品には珍しくおかずてんこ盛りの曲になっている。明るさと楽しさが、このディスクの中盤にアクセントを加えている。
「アイム・オーケー」は、一転してしっとりとしたバラード曲。リズムセクションは、ケニー・バロン、ロドニー・ウィリアムス、ハーリン・ライリーの3人が務めている。
「サイド・バイ・サイド」はピアノによるイントロが印象的。ダイアン・リーヴスはジャーメイン・バジルとのデュエットで歌っている。ジャーメイン・バジルはとても個性的で存在感がある。このディスクでは随所にスキャットが散りばめられているが、その中でもこの2人によるスキャットは変化に富んでいて、ずばぬけて面白い。途中にはおしゃべりも入っている。
「サム・アザー・スプリング」はラストにふさわしい、クールなバラード。先ほどの楽しげな感じとは正反対である。しかし、ダイアン・リーヴスが心を込めて丁寧に歌っているのが聴いていて伝わってくる。ここでバックにシンプルなピアノトリオを置いたのは正解で、そのせいもあって途中のトランペット・ミュート・ソロも切々と胸に迫ってくる。
ダイアン・リーヴスの持つパワーとテクニックを見せつけた一枚であった。




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