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ジャズ100本ノック !!

Amazonへ イエスタデイズ/ジュニア・マンス・トリオ+1
YESTERDAYS/JUNIOR MANCE TRIO+1
(M&I MYCJ-30102)
1.Willow Weep For Me(7:20) 2.Yesterdays(8:09) 3.Georgia On My Mind(7:51) 4.C Jam Blues(4:55) 5.Summertime(10:09) 6.Something(4:15) 7.Cry Me A River(8:04) 8.Blue Monk(9:06) 9.What Are You Doing The Rest Of Your Life(5:15)

ベテランピアニスト、ジュニア・マンスが、ゲストにテナーサックスのエリック・アレキサンダーを迎えたピアノトリオ作品。2000年12月10日にニューヨークで録音されている。メンバーは、ジュニア・マンス(p)、チップ・ジャクソン(b)、ジャッキー・ウィリアムス(ds)、ゲストとしてエリック・アレキサンダー(ts)。特にエリック・アレキサンダーは脂の乗りきった時期である。白地に赤と緑の絵の具を斬新な筆運びで描いたようなジャケットのデザインが印象的だ。
「柳よ泣いておくれ」はくつろぎのジャズといった感じ。エリック・アレキサンダーのテナーも力が抜けて伸び伸びとしたブロウをみせている。ジュニア・マンスは、軽くてきれいな音を出すピアニストだ。チップ・ジャクソンのベースは深い低音をしていて、心にズンズンと迫ってくる。
表題曲「イエスタデイズ」は悲しくも美しいメロディー。それをジュニア・マンスは老練の技術で巧みに表現している。一音一音が心をとらえて放さない。これはかなりレベルの高いピアノトリオ演奏だ。エリック・アレキサンダーは参加していない。チップ・ジャクソンのベースソロも欠点が見あたらない、スタイリッシュなプレイをしている。そのプレイは、曲の精神性を高めるのに一役買っている。
「わが心のジョージア」はエリック・アレキサンダーが参加。バラード曲である。ベースとなっているピアノトリオは抜群の安定感をみせている。エリックのテナーは、伸びやかでありながら感傷的でもある。とにかく全体に安心して聞ける高水準の演奏だ。エンジニアリングも全体のバランスの調和が計算された、無理・無駄のないきれいな録音をしている。ジュニア・マンスの左手が作り出す和音は、胸にぐっと来る。ジャッキー・ウィリアムスのドラムも堅実でいい仕事をしている。鳴りすぎないシンバルに彼の誠実さを感じる。
「C ジャム・ブルース」は一転してアップテンポの曲。ジュニア・マンスが力で引っ張っている。ジャッキー・ウィリアムスのドラムは正確無比。今までの曲で暗いムードだったが、この曲は体でリズムを取りたくなるようなノリの良いものになっている。
「サマータイム」はしっとりとしたバラードで、夏といっても、夏の夜のほうを感じさせる。この曲でもエリック・アレキサンダーが参加している。ピアノトリオは「ズズーチャッ」という面白いリズムを提供している。長めの曲だが、後半のチップ・ジャクソンのベースソロがとても面白い。うーん、まだまだこんな実力者がいたのか。
「サムシング」は少し悲しげ。悲しいフレーズを弾かせるとジュニア・マンスは上手い。悲しいフレーズを弾くと、ピアノの音まで弱々しくなってしまうピアニストがいるが、ジュニア・マンスはしっかり音を出しながら悲しくも洒落たフレーズを展開している。この曲の主役は明らかにジュニア・マンスだ。
「クライ・ミー・ア・リヴァー」は、女性ヴォーカリストであるジュリー・ロンドンの歌唱で有名な曲だ。エリック・アレキサンダーのテナーは感情たっぷり。雰囲気作りに大きく貢献している。センチメンタルな曲を真正面からがっちり受け止め、自分のスタイルに持ち込んで演奏を展開している。
「ブルー・モンク」は、タイトル通りセロニアス・モンクの作曲。ここではアップテンポで楽しい曲になっている。ジュニア・マンスは軽妙なタッチ。テンポ良くグイグイと進んでいくので、とても痛快だ。ディスク全体を通してだが、アクセントとしてチップ・ジャクソンのベースソロが効果的に効いている。ラストの畳み掛けるピアノは迫力十分。
「これからの人生」はラストを飾る、じっくりとしたバラード曲。粛々と曲は進行していく。エリック・アレキサンダーのテナーは小手先の技術でごまかさない、誠実な音運びである。ここでのピアノトリオはバックのサポートに廻っている。
このディスクは、だれるところがひとつもない、充実した一枚に仕上がっている。M&Iは、マンハッタン・トリニティなど良質なピアノトリオ作を発表してくれるので、今後も期待できるレーベルだ。




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