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ジャズ100本ノック !!

Amazonへ カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム/ケニー・ドーハム
'ROUND ABOUT MIDNIGHT AT THE CAFE BOHEMIA/KENNY DORHAM
(BlueNote TOCJ-1524)
1.Monaco(6:42) 2.'Round About Midnight(7:46) 3.Mexico City(6:04) 4.A Night In Tunisia(9:42) 5.Autumn In New York(4:35) 6.Hill's Edge(8:17)

トランペッター、ケニー・ドーハムのリーダー作。細い所から絞り出されるように吹かれるトランペットの音は、マイルス・デイヴィスやクリフォード・ブラウンとも違う、独特で個性的なものがある。本作は1956年録音の作品。カフェ・ボヘミアの息づかいが伝わってくる。
メンバーは、ケニー・ドーハム(tp)、J.R.モンテローズ(ts)、ケニー・バレル(g)、ボビー・ティモンズ(p)、サム・ジョーンズ(b)、アーサー・エッジヒル(ds)。
1曲目の「モナコ」はドーハムによる作曲。ブルーノート特有のポンポンと弾むハードバップな曲でありながら、ケニー・ドーハムが持つ悲しげなメロディーが心を打つ。ドーハムのトランペットは音の切れ目を感じさせない指と息の使い方をしている。J.R.モンテローズのテナーソロは音が太く、安定している。ケニー・バレルのギターソロは文句の付けようがない。
「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」はマイルス・デイヴィスの演奏でも知られる、セロニアス・モンク作曲のスタンダードナンバー。ボビー・ティモンズの奏でるピアノの和音はダイナミックで、それを土台にしてケニー・ドーハムがざっくりとした切り口でメロディーを演奏していく。その音色は誰のものでもない、ケニー・ドーハムのものだというオリジナリティーすら感じる。ボビー・ティモンズのしみじみとしたピアノソロがこれまた渋い。
「メキシコ・シティ」はドーハムによる作曲。速い展開の曲で、さらに追い立てるようにアーサー・エッジヒルがチキチキとシンバルを鳴らす。ケニー・ドーハムはよくもまあこんなに演奏が難しい曲を自分で作曲するもんだ。トランペットの音が非常に忙しい。短い16分音符がずっと並んでいるような曲である。モンテローズ、ケニー・バレル、ボビー・ティモンズもテクニックでは負けておらず、それぞれのソロパートで素早い演奏をみせている。
「チュニジアの夜」は、サム・ジョーンズのベースから始まる。全体を通しても、他の曲に比べてベースラインが際だっている。これもなかなか難しい曲で、個々人の腕前が試される。なかでもケニー・バレルのギターソロが軽やかで気持ちが良い。ボビー・ティモンズのピアノソロは力が入っていてガツガツとしている。
5曲目の「ニューヨークの秋」は落ち着いたバラード曲だ。ここでのケニー・ドーハムのトランペットは、少しクリフォード・ブラウンに似た音色をしている。
ラストの「ヒルズ・エッジ」はドーハムの作曲だが、またしても自分で自分の首を絞めるような難しい曲を書いている。速さと忙しさでは「メキシコ・シティ」に匹敵する。この2曲はセットとして捉えた方が良いだろう。テナーサックスのJ.R.モンテローズをじっくり聴くのは初めてだが、なかなか上手い。この曲で長尺のソロを任されているが、しっかりと自分の世界を作り出し確立している。終盤のケニー・ドーハムとのハーモニーも良い。そのハーモニーの合間で登場するアーサー・エッジヒルのドラムソロは火を噴くようだ。
ぜい肉を出来る限り削ぎ落としたような、無駄のない引き締まった演奏を味わえる一枚であった。長すぎない6曲をコンパクトにまとめているのが成功の理由であろう。




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