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ジャズ100本ノック !!

Amazonへ ポートレイト・イン・ジャズ/ビル・エヴァンス
PORTRAIT IN JAZZ/BILL EVANS TRIO
(輸入盤 RIVERSIDE OJCCD-088-2)
1.Come Rain Or Come Shine(3:21) 2.Autumn Leaves [Take 1](5:59) 3.Autumn Leaves [Take 2](5:23) 4.Witchcraft(4:35) 5.When I Fall In Love(4:55) 6.Peri's Scope(3:15) 7.What Is This Thing Called Love?(4:35) 8.Spring Is Here(5:07) 9.Someday My Prince Will Come(4:55) 10.Blue In Green [Take 3](5:25) 11.Blue In Green [Take 2](4:29)

独特の世界観を持つピアニスト「ビル・エヴァンス」。現在においても「エヴァンス派」という言葉ができるくらい、ジャズピアニストの第一人者として堂々たる位置に存在する。彼の作品の中でも、ピアノトリオ作の入門編として真っ先に取り上げられることが多いのが、この「ポートレイト・イン・ジャズ」ではないだろうか。
メンバーは、ビル・エヴァンス(p)、スコット・ラファロ(b)、ポール・モチアン(ds)。
1曲目は「降っても晴れても」。ビル・エヴァンスのピアノはクラシック音楽に近く、とても上品なものである。最初のこの曲でも品があり、例えれば高級一流ホテルのロビーで流れていそうな感じを受ける。
2曲目はおなじみ「枯葉」。「降っても晴れても」とは印象が違う。それは、ベースとドラムを全面に押し出したリズム感とグルーヴをたたえているためであろう。特にベースのスコット・ラファロのソロは卓越しており、中盤のビル・エヴァンスとの1対1のセッションでも力を見せている。弦がブルブルと震えている様を想像できるベースだ。ビル・エヴァンスのピアノも、この曲ではとても弾んでいて、躍動感がある。
3曲目に「枯葉」のテイク2が収められているが、先ほどの「枯葉」と比較すると面白い。全く違うアプローチで「枯葉」に迫っているのだ。激しさを控えめにして、ピアノの音を大事にしているようなアレンジになっている。それでもスコット・ラファロのベースは存在感があり上手い。安定した低音を常に供給し続けている。
5曲目の「WHEN I FALL IN LOVE」は、子守歌のような優しさを持っている曲である。イライラとした神経を静めてくれるようだ。
6曲目「ペリズ・スコープ」は、アップテンポの曲。快調に音楽が進行していく。
7曲目「恋とは何でしょう」では、ドラムのポール・モチアンが頑張っていて、楽しいスティックワークをみせてくれる。ビル・エヴァンスのピアノと絶妙に絡まり合っている。パスタとソースの関係のようにお互いが引き立てあって、音楽の質を向上させている。中盤のベースソロは細かく、ドラムソロは大胆である。
続く8曲目の「SPRING IS HERE」は沈鬱な曲だ。先ほどまでの元気はどこへ行ったのか。とても悲しい、悲しすぎる。「SPRING」という言葉とは全く対称的な、重く沈んだ曲になっている。
ジャズスタンダードとして有名な9曲目の「いつか王子様が」は、楽しさと哀しさが半分ずつ混ざり合った微妙な心境を映し出したかのような演奏になっている。ビル・エヴァンスの独自の解釈で挑んだ曲だ。三拍子のリズムに乗せて、綱渡りをするように精密にピアノを弾いている。
「ブルー・イン・グリーン」は締めにふさわしい曲だろう。このアルバム全体で表現したビル・エヴァンスの演奏を総括したような感を受ける。
ジャズの入門編としては無難な作品に仕上がっている。しかし、パンチや刺激を求める人には何か物足りなさを感じるであろう。このディスクを入り口に、様々なジャズピアノを聞いてもらいたい。




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