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ジャズ100本ノック !!

Amazonへ カインド・オブ・ブルー/マイルス・デイビス
KIND OF BLUE/MILES DAVIS
(SRCS-9104)
1.So What(9:10) 2.Freddie Freeloader(9:47) 3.Blue In Green(5:37) 4.All Blues(11:37) 5.Flamenco Sketches(9:24)

ジャズを語る上で、どうしても外すことの出来ない作品。いまだに毎年コンスタントに売れ続けている。多くのひとが聴いている名盤であるがゆえ、いままでに多くの評論家がこのディスクを取り上げてきた。その分、目新しい視点で評論をするのが難しく、このディスクをどう取り上げたらよいのかさんざん迷ったが、ここは自分の感性と言葉を信頼して書くしかない。
このディスクは1959年録音の作品。モードジャズが結実しつつある時期だ。5曲全てがマイルスによる作曲である。
「ソー・ホワット」は暗い雰囲気のベースソロ(ポール・チェンバース)から始まり、ホーンアンサンブルが徐々に加わって彩りがついてくる。明るくなり始めた頃に、マイルスのトランペットが加わる。マイルスのトランペットは他のアーティストとは違う、別次元に達している。トランペットという楽器で、なぜこれほどまでに色々な表情をつけることができるのか。マイルスのソロを引き継ぐ形で、ジョン・コルトレーンのテナーソロが始まる。これもレベルが高い。ジョン・コルトレーンは遠慮なく、開放的な音で曲全体を引っ張っている。ポール・チェンバースのベースは、コクのある安定した低音を常に供給し、曲を引き締めている。テーマになっているフレーズを繰り返して出し続けている。その点では、脇に徹しているビル・エヴァンスのピアノも良い仕事をしている。
「フレディ・フリーローダー」では、ウイントン・ケリーのピアノソロがいい。華美にならず、抑えめの演奏に魂がこもっている。マイルスも小手先のトリックを使わず、正々堂々と正面切っての演奏だ。トランペットで長いフレーズを吹ききっている。「マイルス・デイビス」と「ルイ・アームストロング」はジャズというジャンルという枠に入りきらない、と私は常々思っている。ジョン・コルトレーンはこの曲でもずばぬけたソロを展開していて、ディスクのレベル向上に大きく貢献している。それにしても、アンサンブルに無駄なところが一切ない。
「ブルー・イン・グリーン」は、スローテンポなバラード。マイルスのトランペットが悲しく鳴る。ビル・エヴァンスのピアノソロもとても悲しい。
「オール・ブルース」は、クインテットの総合力で勝負している曲。今まではソロを中心に組み立てられていたが、アンサンブルになったときの調和も絶妙である。ジミー・コブのドラムが曲を牽引している。一定のリズムで響き続けるシンバルの音がスパイスになっている。ビル・エヴァンス(p)とポール・チェンバース(b)も素晴らしく、リズム部隊ががっちりと安定している。マイルスとコルトレーンの音のハーモニーがとても美しい。
「フラメンコ・スケッチ」はスローなバラード。暗い感じの曲の中で、透き通ったコルトレーンのテナーがきらきらと光っている。マイルスもソロを展開するが、これも詩的で思慮深い。ひとつひとつの音を丁寧に扱って吹いている。
さすが名盤である。一分の隙もない。突っ込みたくなったり耳を覆いたくなるような場面がない。この完成度の高いアルバム、是非一枚手元に置いてほしい。




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