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ジャズ100本ノック !!

Amazonへ ベイシー&ズート/カウント・ベイシー&ズート・シムズ
BASIE & ZOOT/COUNT BASIE & ZOOT SIMS
(PABLO VICJ-60872)
1.I Never Knew(4:43) 2.It's Only A Paper Moon(5:37) 3.Blues For Nat Cole(6:35) 4.Captain Bligh(6:39) 5.Honeysuckle Rose(6:27) 6.Hardav(4:45) 7.Mean To Me(6:34) 8.I Surrender, Dear(6:06)

カウント・ベイシー・オーケストラでおなじみのカウント・ベイシーが、テナー・サックスにズート・シムズを迎えたカルテット作品。この作品は1975年に録音されている。パーソネルは、カウント・ベイシー(p,org)、ズート・シムズ(ts)、ジョン・ハード(b)、ルイ・ベルソン(ds)という面々。
「アイ・ネヴァー・ニュー」は、アップテンポな明るい曲。カウント・ベイシーの弾むような明るいピアノがピッタリとマッチしている。特にソロになると絶好調で、誰も止めることができない勢いだ。ズート・シムズのテナーも、色気を付けたり格好付けたりせず、暴れ馬のように自由に、縦横無尽に暴れ回っている。後半になるとどんどん勢いが加速して、テナーもピアノもドラムもやりたい放題のように聞こえてくる。これは楽しい。
「イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン」は、ナット・キング・コールの歌でおなじみの曲。これも選曲がよく、ベイシーの軽やかなピアノの音に似合っている。ズート・シムズはチョイ役に回っているが、それで正解であろう。
「ブルース・フォー・ナット・コール」は、ベイシーとシムズが共作した曲で、ナット・キング・コールに捧げたもの。2人の「らしさ」がよく表れており、楽しめるジャズ曲に仕上がっている。ベースとドラムが作り出す心地よいアップテンポに、ピアノとテナーがコロコロと踊っているようである。ベイシーとシムズの掛け合い、音の強弱の付け方、どれも作戦どおりにはまっている。
「キャプテン・ブライ」も二人による共作であるが、「ブルース〜」とは色合いが違い、スローなバラード曲になっている。明るさが隠しきれないベイシーのピアノが何とも憎らしい。できるだけしっとりと弾こうとしているのが分かるが、なかなかそうもいかないようである。ズート・シムズは、肺の強さを感じさせる、声量たっぷりの演奏をしている。最大量の音量でも、まだまだ余裕が感じられる。余裕がある分だけ、自在に表情をつけることが可能になっている。
「ハニーサックル・ローズ」は、1929年に発表されたファッツ・ウォーラーによる曲で、古き良きスウィングジャズといった色合いの強いナンバー。ジョン・ハードのベースが上手くリズムを作り出し、ベイシーもよくノッている。ズート・シムズもスウィングジャズ時代のようなブロウを取り入れている。ベイシーならではといった選曲だろう。
「ハーダヴ」は、このアルバム3曲目となる、ベイシーとシムズの共作。とてもスローなナンバー。ここではベイシーの明るさもなりを潜め、実にしっとりとした感じに仕上がっている。ベイシーのピアノは、渋ささえも感じさせる。夜のジャズバーのような雰囲気だ。ズート・シムズのテナーはあまり出番がなかったが、ふくよかな演奏を見せている。
「ミーン・トゥ・ミー」では、さらにベイシーのピアノに渋みが出てきた感がある。暴れ回るということがない。ベイシーが弾くとどれもスインギーな調子になるのは、特長なのでどうしようもないだろう。ズート・シムズはここでも、ゆとりのある暖かい演奏をしている。
「アイ・サレンダー、ディア」では、ベイシーが珍しくオルガンを弾いている。これも古い時代のジャズを彷彿とさせる演奏だ。75年にこういった作風で挑んだのは、ある意味チャレンジャーかもしれない。このオルガンがシムズのテナーと絡み合うと、ひときわいい味を出してくる。ゆったりとしてほのぼのとした気分にさせてくれる曲だ。
明るさと渋さを持ち合わせ、なかなかいい味を出している、隠れた名盤と言っていいだろう。




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