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ジャズ100本ノック !!

Amazonへ 生と死の幻想/キース・ジャレット
DEATH AND THE FLOWER/KEITH JARRETT
(impulse UCCI-9026)
1.Death And The Flower(22:49) 2.Prayer(10:15) 3.Great Bird(8:44)

「生と死の幻想」という、何とも重たいタイトルがつけられているこのディスク。キース・ジャレットは、このディスクでピアノ、ソプラノサックス、フルート、パーカッションといった4役をこなしている。1974年に録音されたこの作品は、ジャズにとって最も曖昧な期間に作られたと言っていいであろう。非常に哲学的で、スイングやハードバップなど激しく楽しい音楽の要素は一切見られない。
タイトル曲「生と死の幻想」は、23分に及ぶ大作。出だしは民族音楽的なフルートとパーカッションで始まる。パーカッションの種類は豊富だが、どれも宗教的というか、呪術のようなものさえ感じさせる。
3分ほどこの調子が続き、その後、チャーリー・ヘイデンによるベースと、キース・ジャレットによるピアノの音が混じってくる。チャーリー・ヘイデンのベースは確固たるスタンスを築いており、キース・ジャレットのピアノとの対比が面白い。
曲が始まってから8分後、デューイ・レッドマンのテナーサックスが加わる。10分でようやく全楽器が出そろった所だろうか。デューイ・レッドマンのサックスは、この中では精神性が少ない方だが、周りがあまりにも精神世界を追求しているような演奏をしていて、それに引きずられないよう踏ん張っている感がある。
12分を過ぎてドラムも加わり、ようやくジャズらしくなってきた。キース・ジャレットは、繊細なタッチで鍵盤を弾いている。曲はメロディアスになってきたが、それまでの「儀式」で聴く側の思考回路は麻痺してしまっている。
16分で終盤だろうか、チャーリー・ヘイデンのベースソロが始まるが、これがまた良い。20分を過ぎて最終盤、ピアノ、テナー、ベース、ドラム、パーカッションによる盛大なセッションとなる。今までのゴタゴタに決着をつけるような、胸のすく演奏だ。今までが「死」の世界ならば、これは「生」の世界だろうか。
2曲目の「祈り」は、今までの荒々しさを静めるような、癒される曲。この曲も10分を超える大作だ。キース・ジャレットのピアノと、チャーリー・ヘイデンのベースで曲は進行していく。綺麗な世界が、二人によって描き出されている。
3曲目「グレイト・バード」は、パーカッション、テナーサックス、ソプラノサックス、ピアノ、ベースによる演奏だ。ライナーノートによるとソプラノサックスはキース・ジャレットとなっているので、ピアノと多重録音したのだろう。パーカッションがアグレッシブで情熱的だ。他の楽器を煽り立てている。それに応えるかのように、2つのサックスはうねりを上げている。
1曲目の「生と死の幻想」で内に秘めた熱いものを、2曲目と3曲目で静めるような構成だ。何か感じるだけでなく、考えさせる1枚だ。




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