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ジャズ100本ノック !!

  フライ・トゥ・ブラジル/ヴァルター・シュトラート・トリオ
FLY TO BRAZIL/Walter Strerath Trio
(ATELIER SAWANO AS014)
1.Fly To Brazil(3:43) 2.Con Alma(5:12) 3.Bossa Made in Germany(4:40) 4.Bara Bossa(6:05) 5.On 4 Goes It Loose Blues(3:45) 6.Softly As in a Morning Sunrise(6:12) 7.Autumn Leaves(7:26) 8.A Slow Fly(7:05) 9.Fly to Brazil (Alternate Take)(5:08) 10.A Slow Fly (Alternate Take)(6:12) 11.Bossa Made in Germany (Alternate Take)(3:27) 12.Bara Bossa (Alternate Take)(5:26)

ジャズのCDを漁りに行ったとき、店内にかかっていて気になり、ジャケットを見てさらに気に入って買ってしまった一枚。でも、買ったことに後悔はない。ジャケットは、コーヒー豆で出来た南米大陸に、ハエが飛んできているというもの。だから「FLY TO BRAZIL」なんだね。おーい、山田く〜ん(以下略)。
ヨーロッパのジャズピアニストを積極的に掘り起こし、家内工業的小生産ながらも高い評価を得ている澤野工房の作品だ。澤野工房の作品は、大型店か通信販売でないと買うことができない。大量に澤野工房の作品が置いてあった札幌のCD店が閉店し、これからどうしようかと思案している私であった。
このディスクはピアノトリオ作。表題曲「Fly to Brazil」は、サンバ調の明るくテンポの良い曲。ヴァルター・シュトラートのピアノは音が明るく、はっきりとしている。ドラムが叩くパーカッションの音も小気味よい。
次の「CON ALMA」「BOSSA MADE IN GERMANY」でも、ピアノの力強さは、変わらないばかりか、より強くなっている。ドラムのスティックワークも良く、きびきびとした音楽になっている。テンポのあるスイング感が気持ちよく、うきうきした気分になる。
4曲目「BARA-BOSSA」はラテン調だが、少しセンチメンタルなバラード曲だ。それでもピアノの力強さは変わらない。普段のテンションが高いだけに、弱く弾いたり優しく弾いたりしているところが際だって聞こえる。このピアニストのリズム感と、スインギーでぐいぐい引っ張り込む力はさすがである。
つづく「ON 4 GOES IT LOOSE BLUES」では、今まで目立たなかったベースが前面に出てくる。今度はベースの力で引っ張っている曲調だ。それにしても激しい。ピアニストは容赦なく鍵盤を叩き続けている。陰に隠れて見えなかったベースが見えてきたことによって、それがいいスパイスとなって効いている。このディスクの中でも最高の盛り上がりではないだろうか。ここまで「CON ALMA」を除いて、ヴァルター・シュトラートの作曲だ。
さて、ここまで来てジャズのスタンダードナンバー「枯葉」をどのように料理してくれるのか楽しみになった。「枯葉」は多くのミュージシャンによって、哀しく叙情的に演奏されてきた。しかし、このディスクでは今までラテンのノリで明るく楽しく激しくやって来た。蓋を開けてみると…、予想は的中した。ラテンで明るい「枯葉」だ。「枯葉」というタイトルは、もはや意味を成さなくなった。こんなに明るくていいのだろうか。そして、今までのうっぷんを晴らすかのようなブンブンとしたベースソロまで、おまけで付いてきている。それに乗って、ヴァルター・シュトラートのピアノはどんどんエスカレートし、頂点に達しようとしている。いやいや、ドラムもすごいことになっている。嗚呼、これがあの「枯葉」と同じ曲なのだろうか。
最後の「A SLOW FLY」は、今までの熱を冷ますかのようなバラードだ。それでも、タッチの力強さは変わらない。
ここまで通して聴いてみると、心にわだかまったモヤモヤを一気に吹き飛ばすような一枚だった。最初からアクセル全開で疾走し続け、ゴールを駆け抜けていったようだ。あとに残ったのは、心地よい爽快感だ。




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